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ギラギラと焼やけつく
コールタールの屋根やねに
むせかえる灼熱しゃくねつの
あの夏なつの放課後ほうかご
俺おれたちは たくさんの
自分じぶんを閉とじ込こめて
しゃぼん玉だまを青あおい空そらへ
飛とばしたよね
七色なないろに輝かがやく
俺おれたちの未来みらいは
「信しんじる」とか
「信しんじない」から
かけ離はなれてた
何なんの疑うたがいもなく
陽炎かげろうといっしょに
天空てんくうへ確たしかに
はじけず昇のぼったよね
あれは遠とおい
そう夏なつの日ひの午後ごご
広ひろい校庭こうていに水みずをまいた
決きまって夕立ゆうだちのあと
俺おれたちは
裸足はだしのまんまで
西陽にしびを追おいかけた
悲かなしかったけど…
泣なきたかったけど…
「家族かぞく」という船ふねに乗のり
「孤独こどく」という海うみに出でた
「家族かぞく」という
船ふねが行ゆき過すぎ、今いま
「孤独こどく」という魚さかなになった
そばがらの枕まくらと
重おもたく湿しめったふとん
吊つるした蚊帳かやをめくると
苦くるしい夢ゆめをみた
天井てんじょうには姉ねえちゃんの
すすり泣なきが響ひびき
俺おれはじっと明日あしたを
垂直すいちょくに考かんがえてた
終業式しゅうぎょうしきの
木造もくぞうの校舎こうしゃまで
明日あしたはバスに揺ゆられる
最後さいごの日ひだ!
割われた窓まどガラスに
セロテープを貼はろう
そして色いろあせた
ランドセルを
川かわへ捨すてよう
ひざまでザックリつかり
ハヤを追おいかけた
気きの遠とおくなるよな
夕暮ゆうぐれまでの瞬間とき
母親ははおやの夕餉ゆうげの仕度したくと
立たち昇のぼる煙けむりが
たまらなく嫌いやだったけど
明日あしたが待まちどおしくて
つらかったけど…
悔くやしかったけど…
「家族かぞく」という船ふねに乗のり
「孤独こどく」という海うみに出でた
「家族かぞく」という
船ふねが行ゆき過すぎ、今いま
「孤独こどく」という魚さかなになった
農夫のうふたちのぶ厚あつい
人間にんげんの手てのひらに
今日一日分きょういちにちぶんの
お椀わんを返かえしたら
親父おやじもお袋ふくろも
姉ねえちゃんも俺おれも
やがて「ふるさと」という
呼よび名なから
離はなれて行ゆくのだ
『さよなら』を
言いわなきゃいけない
数かずの方ほうが
出会であいの数かずより
多おおかったよね
親父おやじの胸むねの草くさむらで
あの夏なつの日ひ
『もう母かあちゃんを
殴なぐらないで!!』と
約束やくそくをした
今いまごろ貴方あなたの父ちちや母ははは
どこの空そらの下したで
泣ないてるの?
貴方あなたの人間にんげんは
貧まずしくなんかない
いとおしくなったから
生いき急いそぐのだ
逃にげたかったけど…
死しにたかったけど…
「家族かぞく」という船ふねに乗のり
「孤独こどく」という海うみに出でた
「家族かぞく」という
船ふねが行ゆき過すぎ、今いま
「孤独こどく」という魚さかなになった
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
その父ちちを
たまらなく愛あいしてる
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
その母ははを
たまらなく愛あいしてる
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
その姉あねを
たまらなく愛あいしてる
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
殺ころしたくなるよな
夕暮ゆうぐれの赤あか
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
この国くにを
やっぱり愛あいしているのだ
コールタールの屋根やねに
むせかえる灼熱しゃくねつの
あの夏なつの放課後ほうかご
俺おれたちは たくさんの
自分じぶんを閉とじ込こめて
しゃぼん玉だまを青あおい空そらへ
飛とばしたよね
七色なないろに輝かがやく
俺おれたちの未来みらいは
「信しんじる」とか
「信しんじない」から
かけ離はなれてた
何なんの疑うたがいもなく
陽炎かげろうといっしょに
天空てんくうへ確たしかに
はじけず昇のぼったよね
あれは遠とおい
そう夏なつの日ひの午後ごご
広ひろい校庭こうていに水みずをまいた
決きまって夕立ゆうだちのあと
俺おれたちは
裸足はだしのまんまで
西陽にしびを追おいかけた
悲かなしかったけど…
泣なきたかったけど…
「家族かぞく」という船ふねに乗のり
「孤独こどく」という海うみに出でた
「家族かぞく」という
船ふねが行ゆき過すぎ、今いま
「孤独こどく」という魚さかなになった
そばがらの枕まくらと
重おもたく湿しめったふとん
吊つるした蚊帳かやをめくると
苦くるしい夢ゆめをみた
天井てんじょうには姉ねえちゃんの
すすり泣なきが響ひびき
俺おれはじっと明日あしたを
垂直すいちょくに考かんがえてた
終業式しゅうぎょうしきの
木造もくぞうの校舎こうしゃまで
明日あしたはバスに揺ゆられる
最後さいごの日ひだ!
割われた窓まどガラスに
セロテープを貼はろう
そして色いろあせた
ランドセルを
川かわへ捨すてよう
ひざまでザックリつかり
ハヤを追おいかけた
気きの遠とおくなるよな
夕暮ゆうぐれまでの瞬間とき
母親ははおやの夕餉ゆうげの仕度したくと
立たち昇のぼる煙けむりが
たまらなく嫌いやだったけど
明日あしたが待まちどおしくて
つらかったけど…
悔くやしかったけど…
「家族かぞく」という船ふねに乗のり
「孤独こどく」という海うみに出でた
「家族かぞく」という
船ふねが行ゆき過すぎ、今いま
「孤独こどく」という魚さかなになった
農夫のうふたちのぶ厚あつい
人間にんげんの手てのひらに
今日一日分きょういちにちぶんの
お椀わんを返かえしたら
親父おやじもお袋ふくろも
姉ねえちゃんも俺おれも
やがて「ふるさと」という
呼よび名なから
離はなれて行ゆくのだ
『さよなら』を
言いわなきゃいけない
数かずの方ほうが
出会であいの数かずより
多おおかったよね
親父おやじの胸むねの草くさむらで
あの夏なつの日ひ
『もう母かあちゃんを
殴なぐらないで!!』と
約束やくそくをした
今いまごろ貴方あなたの父ちちや母ははは
どこの空そらの下したで
泣ないてるの?
貴方あなたの人間にんげんは
貧まずしくなんかない
いとおしくなったから
生いき急いそぐのだ
逃にげたかったけど…
死しにたかったけど…
「家族かぞく」という船ふねに乗のり
「孤独こどく」という海うみに出でた
「家族かぞく」という
船ふねが行ゆき過すぎ、今いま
「孤独こどく」という魚さかなになった
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
その父ちちを
たまらなく愛あいしてる
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
その母ははを
たまらなく愛あいしてる
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
その姉あねを
たまらなく愛あいしてる
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
殺ころしたくなるよな
夕暮ゆうぐれの赤あか
白地しろじに赤あかい日ひの丸まる
この国くにを
やっぱり愛あいしているのだ