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軒下三寸のきしたさんずん
りうけまして
もうしあげます
おっさん
たった一言ひとこと
忠太郎ちゅうたろう
んでくだせぇ
んでくだせぇ
たのみやす
(セリフ)
おかみさん
今何いまなんとかいなすったね
(セリフ)
親子おやこのりが
したかったら
堅気かたぎ姿すがたたずねていと
いなすったが
(セリフ)
わらわしちゃ いけねえぜ
おやに はぐれた子雀こすずめ
ぐれたをしかるは
無理むりはなしよ
(セリフ)
愚痴ぐちじゃねぇ
未練みれんじゃねぇ おかみさん
おれうことを
よくきなせぇ
(セリフ)
たずたずねた母親ははおや
せがれんで
もらえぬような
(セリフ)
こんな やくざに
だれがしたんでぇ
世間せけんうわさ
になるならば
こんな やくざを
なぜんだ
つれのう ござんす
おっさん
つき雲間くもまつき雲間くもま
もらい
(セリフ)
なにってやんでぇ
なに今更いまさら忠太郎ちゅうたろう
なにせがれでぇ
(セリフ)
おれにゃ おっかぁ
いねぇんでぇ
おっさんは
おれこころそこるんだ
(セリフ)
うえしたとのまぶた
わせりゃ わねぇむかし
やさしい おっかぁ面影おもかげ
かんでくらぁ
(セリフ)
いたくなったら
いたくなったら
おらまぶたをつむるんだ
わなきゃ よかった
かずにすんだ
これが浮世うきよ
いうものか
水熊横丁みずくまよこちょう
遠灯とおあか
しま合羽かっぱしま合羽かっぱ
ゆき
(セリフ)
おっさん