あの人ひとのことなど
もう忘わすれたいよ
だって どんなに
想おもいを寄よせても
遠とおく叶かなわぬ恋こいなら
気きがついた時ときには
もう愛あいしていた
もっと早はやく
「さよなら…」
言いえたなら
こんなに辛つらくは
なかったのに
ああせめて一度いちどだけでも
その愛いとしい腕うでの中なかで
「このまま 傍そばに居いて
夜よるが明あけるまで」と
泣なけたなら…

ああ肩寄かたよせ歩あるく恋人達こいびとたち
すれ違ちがう 帰かえり道みち
寂さみしさ風かぜのように
いやされぬ心こころをもて遊あそぶ
あの人ひとの微笑ほほえみ
やさしさだけだと
知しっていたのに
それだけでいいはずなのに
愛あいを求もとめた片想かたおもい
愛あいを求もとめた片想かたおもい