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よみがな
ふゆ海辺うみべをあてもなくあるいて 二人ふたり貝殻集かいがらあつめて
ひともまばらなはしうえのベンチで いつまでも波音なみおといている

いたいことが からだのおく渦巻うずまいてるけど
言葉ことばにできないそのことに いまはいらだつこともないよ

うつむくしぐさに孤独こどくつかれがえても なにもできなかった
ひきずることでもはなすことでもない くもった気持きもちをおさえてる

むかしによく日々ひびつづいている ワインをみながらおどって
きみ部屋へやのソファーにもすわった でもけっしてむかしおなじじゃない

ほんのすこはなれてあるきずつかないように
ほんのすこ口数くちかずらしてる 大事だいじなものなくさないように

つめたいかぜぼくらをちかづける くすぶるおも見透みすかすように
つよ戸惑とまどいを意味いみのない笑顔えがおにすりかえてまた戸惑とまど
ちいさな貝殻かいがらにひとつずついて おもいでをすなめてゆく
とおくでひびいてるかねなにかのおわりとはじまりをげている

こいというかたちのためにこわれるものがあること
っているのにいたくなるのは こいだから あいだからそれとも

ぼくらがってるゆめ本当ほんとうおなじものかもしれないけど
こいはいらないとつぶやくぼくは ただのひとりよがりだろう
真夜中まよなか 舗道ほどう突然とつぜんそのうでんできたきみはとても綺麗きれい
そのままぼくはじっとそら見上みあげてる こいじゃなくなったそら