荒あらく閉しまるドア
煙けむりだけが部屋へやに残のこる
雨足あまあしは早はやく
もう君きみには追おいつけない
捨すて猫ねこのように
ひざを抱だいて 微笑ほほえむ君きみを
そっと抱だき上あげて
隠かくすように暮くらした町まち
ああ 時ときが来くれば
わかることも
あるはずだね
だから 今夜こんやきりに
してしまおう 涙なみだなんて
あの空高そらたかく 僕ぼくは
飛とんでみたいと言いった
かわりばえのしない
生活せいかつを君きみは愛あいした
ああ 時ときがたてば
笑わらいごとに なるはずだね
だから 今夜こんやきりに
してしまおう 涙なみだなんて
明日あしたになれば
二人ふたりの目めには
違ちがう景色けしきが 朝日あさひを浴あびて
輝かがやくだろう
荒あらく閉しまるドア
時計とけいだけが時ときを刻きざみ
古ふるいレコードが
部屋へやの隅すみで時ときを止とめる