死しねというなら
死しぬかくご
できていました
あなたとならば
それなのに…
それなのに
風かぜにまぎれて
消きえたひと
わたし今夜こんやも
ためいき川がわを
流ながれ漂ただよう
みれん舟ぶね

夢ゆめを失なくしちゃ
だめだよと
抱だいたあなたが
わたしを捨すてた
それなのに…
それなのに
にくみきれない
意気地いくじなし
ひとりゆらゆら
酔待川よいまちがわに
沈しずみそうです
みれん舟ぶね

泣ないてあの日ひが
戻もどるなら
化粧けしょうなみだで
洗あらいましょうか
それなのに…
それなのに
消息たよりないまま
春はるは逝いく
わたしどこまで
人ひとの世川よがわの
霧きりにさまよう
みれん舟ぶね