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あの
ほんとにあつかった
むらへとつづしろみち
かげろうだけが
れていた
夢中むちゅうでぼくは はしってた
かあさんってて すぐかえ
大事だいじ仕事しごと わすれてた
女手おんなでひとつで
ぼくたちを
そだてて くれた かあさんは
おとしたかたで うなずいて
とおくのむらを みつめてた
まずしくひなびた あのむら
かなしくてた ふるさとさ

親子おやこ荷物にもつちあって
真夏まなつみちみなとまで
おさないすえおとうと
つかれて いて
しゃがみこむ
おぶってやろうとおもっても
ゆるしておくれ 無理むりだった
(セリフ)
ようやくみなといたとき
突然とつぜんぼくは おも
小学校しょうがっこう夏休なつやすみに
うさぎのかかりをしてたこと
このまま
かけてしまったら
うさぎはえてぬだろう
あわてて
ぼくだった
今来いまきみち学校がっこう
おなかを かす
つらさなら
だれよりぼくがっている
ちかねていた
うさぎたち
さしすエサにんでくる
ほこりにまみれて
たどり
みなとふねは もういない
今度こんどふねるまでに
どれだけながつことか
それでもかあさん
ひとことも
しからずぼくに ほほえんだ

かあさんなにより うれしいよ
こんなにつらい ときでさえ
やさしいこころ わすれない
おまえはつよおとこ
めったに
かないかあさんの
まぶたがれてひかってた

あれから何年なんねんたったかな
くるしいときるたびに
しろいうさぎを おも
かあさんのおも
いっしょうけんめい
きてます
かあさんほめてくれますか
いっしょうけんめい
きてます
かあさんいてくれますか
かあさん…
かあさん…
かあさん…
かあさん…