蝶ちょうネクタイに銀縁眼鏡ぎんぶちめがね
チョークの染しみた
指ゆびを振ふり上あげ
お前まえは何なにを
しているのかと
雲くもを突つく声こえが聞きこえる
しんと静しずかな記憶きおくの廊下ろうか
悪あくたれ小僧こぞう 立たたされ坊主ぼうず
野球やきゅうボールを
手てに握にぎり見みた
硝子越がらすごし 光ひかる青空あおぞら
恩師おんしよ 時計とけいの
針はりは戻もどりはしない
進すすむだけだと
教おそわりました
恩師おんしよ 背筋正せすじただして
生いきて行いけよと
惑まどう心こころに鉄てつの拳こぶしを
もう一度いちど もう一度いちど

髪かみに霜降しもふる
年齢としになっても
夢ゆめにまで見みる白しろい答案とうあん
答こたえの出でない俺おれの人生じんせい
土埃つちぼこり 風かぜのグランド
恩師おんしよ 忘わすれた
頃ころの同窓会どうそうかいで
みんなの名前なまえ
まだ憶おぼえてた
恩師おんしよ 流ながれる
雲くものように生いきろと
瞳細ひとみほそめて優やさしい声こえで
もう一度いちど もう一度いちど