命いのち ふたつ
なんで引ひき裂さいた
契ちぎり 結むすんだ仲なかなのに
北きたの荒海あらうみあんたをヨー
さらったからとて
何なにが変かわろ
風かぜよ 逆巻さかまけ黒髪くろかみよ
燃もえて底曳そこびき網あみとなれ
アイヤー
アイヤー アイヤー

おまえ それで
漁師はまの女房にょうぼうかと
いつもからかう男ひとだった
北きたの荒海あらうみあたしにゃヨー
稼かせげる漁場りょうばが
今いまじゃ似合にあい
女盛おんなざかりが波なみの華はな
姐あねゴと呼よばれてコップ酒ざけ
アイヤー
アイヤー アイヤー

たったひとりの
忘わすれ形見がたみはさ
寝顔ねがおそのまま生いき写うつし
北きたの荒海あらうみあの子こがヨー
あたしの命いのちさ命綱いのちづなさ
時化しけで濡ぬれてるこの躯からだ
夢ゆめであんたが抱だきに来くる
アイヤー
アイヤー アイヤー