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ねむるあなたの
かたごしに
ふねのランプが
ゆれていた
明日あすのわかれを
まえにして
わたしはふくなど
たたんでた
こゝは東京とうきょう
海沿うみぞいホテル
みれんでしょ
おばかさん
いまもあなたに
いたくて
一年いちねんまえの
おなまどから
レインボーブリッジ
なみだでてる

どこからない
くにへでも
げてゆけたら
しあわせね
そんな会話かいわ
むなしくて
二人ふたりとつに
なっていた
こゝは東京とうきょう
海沿うみぞいホテル
みれんでしょ
おばかさん
あれは始発しはつ
ゆりかもめ
グラスをにぎ
ねむれないまゝ
おもつゞりの
一夜いちやかす

こい断片かけら
あつめても
ゆめがわった
しろあさ
かがみのぞいて
眉書まゆかいて
ひとりのおんな
たしかめる
こゝは東京とうきょう
海沿うみぞいホテル
みれんでしょ
おばかさん
せめてあかるい
かおをして
あなたのいない
おなえきから
わたしはかえりの
きっぷをうの