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よみがな
ふるいアパートのベランダに
ぼくおろしてすこわらった
なまぬるいかぜにたなびくしろいシーツ
さかなもいないドブ川越がわこえて
いくつもえて二人乗ふたりのりで
れそうなでヨロヨロしてさ われるように

おさないだけのひそかな おきてうえきみ
なつ魔物まものいたかった

大粒おおつぶあめすぐにあがるさ
ながくのびたかげがおぼれたころ
ぬれたクモのひかってた いているみたいに

ころしてしまえばいいともおもったけれど きみ
なつ魔物まものいたかった

おさないだけのひそかな おきてうえきみ
なつ魔物まものいたかった
ぼく呪文じゅもんかなかった
なつ魔物まものいたかった