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ヒラリヒラリとあそぶように
姿見すがたみせたアゲハちょう
なつよるなか つきした
よろこびとしてのイエロー うれいをびたブルーに
てにている漆黒しっこくはね

旅人たびびとたずねてみた どこまでくのかと いつになればえるのかと
旅人たびびとこたえた わりなどはないさ わらせることはできるけど

そう…じゃあ おをつけてと見送みおくったのはずっとまえ
ここにいまかえらない
かれ僕自身ぼくじしんだと気付きづいたのは
今更いまさらになってだった

あなたにえた それだけでよかった
世界せかいひかりちた
ゆめえるだけでよかったのに
あいされたいとねがってしまった
世界せかい表情ひょうじょうえた
てではそらうみじる

詩人しじんがたったひとひらのことめた 意味いみをついにることはない
そう それはともに できるならあなたにとどけばいいとおも

もしこれが戯曲ぎきょくなら なんてひどいストーリーだろう
すすむことももどることもできずに
ただひとり舞台ぶたいっているだけなのだから

あなたがのぞむのなら このなど
いつでもしていい
そそたてになろう
ただそこに一握ひとにぎのこったぼくおもいを
すくいげてこころすみにおいて

あなたにえた それだけでよかった
世界せかいひかりちた
ゆめえるだけでよかったのに
あいされたいとねがってしまった
世界せかい表情ひょうじょうえた
てではそらうみじる

荒野こうやいたアゲハちょう
らぐその景色けしきこう
ちかづくことはできないオアシス
つめたいみずをください
できたらあいしてください
ぼくかたはねやすめておくれ