義理ぎりの貸かし借かり
忘わすれたならば
飛とぶに空そらなし
旅鴉たびがらす
恩おんも恨うらみも
ない人ひとなのに
野暮やぼな渡世とせいの 喧嘩沙汰けんかざた
利根とねの月太郎つきたろう
受うける仁義じんぎの
受うける仁義じんぎの 取手宿とりでじゅく

惚ほれちゃならない
堅気かたぎに惚ほれて
解といた絣かすりの
紅べにの帯おび
男知おとこしらずの
菖蒲あやめの花はなに
情なさけ重かさねりゃ 罪つみつくり
利根とねの月太郎つきたろう
愛想あいそづかしの
愛想あいそづかしの ひと芝居しばい

浮世双六うきよすごろく
上あがりはあるが
渡世双六とせいすごろく
明日あすはない
どうせ畳たたみじゃ
死しねない身みなら
せめて散ちりたい 故里くにの空そら
利根とねの月太郎つきたろう
生うまれ銚子ちょうしは
生うまれ銚子ちょうしは 祭まつり頃ごろ