朝霧あさぎりの中なかに浮うかんだ あなたへの想おもいつのるばかり
置おき去ざりにされし恋心こいごころ 万里ばんりも追おいかける

逢あいたくて逢あえない夜よるには せめて この夢ゆめの中なかだけでも
訪おとずれて静しずかなる契ちぎり かわして見みゆるまで

幾重いくえに吹ふく風かぜは 紡つむぎながら やさしく ゆらめく
棘いばらを抱だきしめた この愛いとしき想おもいをとどけて…

恋こいをしただけ それだけのことを
もっと言いわせて もっと わがままにして
あなたの愛あいに 包つつまれた日ひから
ココロもカラダも ねぇ 全部ぜんぶ 狂くるおしい
風かぜの果はて…

はだすすきの穂ほに咲さきいでぬ ひそやかなる恋実こいみのらせたい
ただ一目ひとめでもかまわぬほど 面影おもかげは消きえずに

静しずかに おだやかな 愛あいは胸むねで はかなく 燃もえゆく
冷さめやらぬ体温ぬくもり 夜空よぞらを駆かけぬける風かぜになる

恋こいをしただけ それだけのことを
もっと言いわせて もっと愛あいを印しるして
絡からみあう指ゆび つながった糸いとは
風かぜをまとい空そらの果はてに 舞まいあがって
永遠えいえんに…

見渡みわたせば花はなも椛もみじもなかりにけり
胸むねに咲さき誇ほこる 紅あかい紅あかい花はな
散ちることのない花はな

恋こいをしただけ それだけのことを
もっと言いわせて もっと わがままにして
あなたの愛あいに 包つつまれた日ひから
ココロもカラダも ねぇ 全部ぜんぶ 狂くるおしい
風かぜの果はて…