たとえば僕ぼくが 今いまを生いきようと 全すべて投なげ捨すてたなら
どうなるのかな 壊こわれるのかな なにもかも終おわるだろう

それでも いつかは ここから抜ぬけ出だしてみせるんだと
つぶやいて 飲のみ込こんで 悲かなしいけど… これが今いまの力ちから

色いろのない ため息いきひとつ 風かぜはこんな僕ぼくを隠かくしてゆく
枯かれ果はてぬ ため息いきふたつ 誰だれも僕ぼくの存在ことなど知しらない

たとえば僕ぼくが あの日ひに戻もどって 全すべてやり直なおせたら
何なにをしようか どこに行いこうか 少すこし旅たびに出でようか

それでも やっぱり きっと僕ぼくはここに戻もどってくる
わかるから 自分じぶんだもの 意気地いくじのない弱よわい僕ぼくだから

白しろく立たつ ため息いきひとつ 冬ふゆはこんな僕ぼくを見逃みのがさない
宛あてのない ため息いきふたつ 違ちがう人ひとになんてなれない

色いろのない ため息いきひとつ 風かぜはこんな僕ぼくを許ゆるしてゆく
宛あてのない ため息いきふたつ 今いまはまだここから動うごけない