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よみがな
細雪ゆきほたる
もつれていかける
指先ゆびさき さむかろと
そっと
かく杉木立すぎこだち
いてきくずれ
たとえ辻ヶ池つじがいけ
この げても
雪燃ゆきもえて
あかあかと
月冴つきさえて
しんしんと
このむこうが
吹雪ふぶいていても

れた黒髪くろかみ
くちびるおしあてる
いとしい そのかた
せる
名残なご椿宿つばきやど
ちぎちぎ
たとえ九十九谷つづらだに
ふたりちても
雪燃ゆきもえて
はらはらと
風哭かぜないて
ひゅるひゅると
いのちの結晶かけら
かさねたままで
雪燃ゆきもえて
あかあかと
月冴つきさえて
しんしんと
このむこうが
吹雪ふぶいていても
このむこうが
吹雪ふぶいていても