卍まんじともえに 降ふる雪ゆきが
身八口みやつくちから 忍しのび込こむ
追おって行ゆきたい
行ゆかれない
恋こいも通かよわぬ 三国みくにの峠とうげ
風かぜが呼よぶ 山やまが泣なく
夜よるが震ふるえ 心こころが凍こおる
あなた信しんじて いいですか
あなた待まっても
いいですか
春はるまだ遠とおい 越後路えちごじに
機はたおり唄うたが すすり泣なく
雪ゆきに埋うもれてヨー
今夜こんやも一人ひとり
あなた恋こいしやヨー
トンカラリ トンカラリ

白しろい荒野こうやの 満月まんげつが
頬ほほの涙なみだを 照てらします
逢あいに行ゆきたい
行ゆかれない
指ゆびにくいこむ
運命さだめの麻糸いとよ
信濃川しなのがわ 雪ゆきさらし
小千谷おぢやちぢみ
命いのちがやせる
少すこし泣ないても いいですか
少すこし恨うらんで いいですか
夢ゆめまだ遠とおい 越後路えちごじで
想おもい出抱でだいて 眠ねむります
風かぜが呼よぶ 山やまが泣なく
夜よるが震ふるえ 心こころが凍こおる
あなた信しんじて いいですか
あなた待まっても
いいですか
雪解ゆきどけまぢか 越後路えちごじに
桜さくらの花はなは いつ開ひらく