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よみがな
大地だいちけるかぜ
黄金おうごん穂波ほなみがうねる

幾千いくせんついやした人々ひとびといのりを
たしかめている

はるかなるときえてくおもいが
まぬあめえうるつよさが

やがてあいするもののすべてにそそがれていけばいい

ちぎれて はぐれてくくも
かがみ水面みなも横切よこぎ

みずからをうたがわず ばたく旅鳥たびどり
最果さいはての

もし今私いまわたしかぜになれたなら
けわしいやまいただきえたら

やがてあいするひとのもとになにとどけるのでしょう
それはあいするひとのそばでっているのでしょう

ながちるなみだてに
寝静ねしずまる冬枯ふゆがれの季節きせつ
見放みはなされた荒野こうやさき
ひとなにつめるのだろう

どこかでつづかなしみが
落日らくじつあかめてく

ふるえるいのちがただのぞむのは
やすらかなははむね

らぬよるやみつつんでも
たとえ言葉ことばうしなったとしても

あなたがえるただひとつのひかりであればいい
あなたがれるただひとつのやすらぎであればいい
やがてあなたのこころなかそそがれていけばいい