名前なまえもない路上ろじょうで
ヒッチハイクしている
膝ひざを抱かかえて待まってる

ここは荒あれ果はてていて
人ひとの気配けはいはないし
誰だれも ここを通とおらないや

進入禁止しんにゅうきんしだって
あらゆるもの拒絶きょぜつして
追おい払はらったのは僕ぼくだから

誰だれも迎むかえに来こない
ちゃんと分わかってるって
だけど もう少すこし待まってたい

生いきてる理由りゆうなんてない
だけど死しにたくもない
こうして今日きょうをやり過すごしてる

生うまれたての僕ぼくらの前まえには ただ
果はてしない未来みらいがあって
それを信しんじてれば 何なにも恐おそれずにいられた
そして今僕いまぼくの目めの前まえに横よこたわる
先さきの知しれた未来みらいを
信しんじたくなくて 目めを閉とじて過すごしている

女おんなが運転うんてんする
車くるまが止とまって
「乗のせてあげる」と言いった

僕ぼくは感謝かんしゃを告つげて
車くるまのドアを開ひらいて
助手席じょしゅせきに座すわって また礼れいを言ゆう

しばらく走はしると僕ぼくは
硬かたいシートに 居心地いごこちが悪わるくなって
女おんなの話はなしに 相槌打あいづちうつのも 嫌いやになって
眠ねむったふりした

僕ぼくらは予定通よていどおりの
コースを走はしってきた
少すくなくとも今日きょうまで

出会であった日ひの僕ぼくらの前まえには ただ
美うつくしい予感よかんがあって
それを信しんじたまま 甘あまい恋こいをしていられた
そして今いま 音おともたてず忍しのび寄よる
この別わかれの予感よかんを
信しんじたくなくて 光ひかりを探さがしている

生うまれたての僕ぼくらの前まえには ただ
果はてしない未来みらいがあって
それを信しんじてれば 何なにも恐おそれずにいられた
そして今僕いまぼくの目めの前まえに横よこたわる
先さきの知しれた未来みらいを
信しんじたくなくて 少すこしだけ あがいてみる
いつかこの僕ぼくの目めの前まえに横よこたわる
先さきの知しれた未来みらいを
変かえてみせると この胸むねに刻きざみつけるよ
自分じぶんを信しんじたなら ほら未来みらいが動うごき出だす
ヒッチハイクをしてる 僕ぼくを迎むかえに行ゆこう