もう物語ものがたりは終おわってた
みんなあなたから去さってしまった
色褪いろあせた落書らくがきだけがおどけたまま

ぬかるみの様ような灰色はいいろの空そら
太陽たいようの場所ばしょもわからないから
語かたりかけてくるその影かげに気きづかないでいる

あなたをずっと見守みまもっている 私わたしを今いますぐに見みつけて

いつか流ながした涙なみだと無なくした言葉ことばを探さがして
鏡かがみの向むこうに閉とじ込こめた心こころを取とり戻もどして

いくつもの夢ゆめ 願ねがいも失望しつぼうも
モノクロの街まちは呑のみ込こんでゆく
混まざり合あって吐はき出だされて
そそがれた川かわの上うえ
そこから今何いまなにが見みえますか

今いまは渇かわいた瞳ひとみでやがて来くる明日あしたを見みないで
私わたしはあなたのすぐそばでささやきつづけている

二人ふたりの傷きずを癒いやすようにこのまま強つよく抱だきしめていて

いつか流ながした涙なみだと無なくした言葉ことばを探さがして
雲くもの間あいだから降ふり注そそぐ光ひかりが包つつみ込こむから
過あやまちも その罪つみも 悲かなしみも その嘘うそも

そして物語ものがたりは始はじまった・・・