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なげキノかべゲラレテ
おろカノかみたてまつラレル

きるは毒杯どくはい 杞憂きゆうくるしみを
すべだれさずけよう
太陽たいようむと賢者けんじゃわし
羽搏はばたきだけがこだまする

このふたつの宿やどった
やみひかり その何方どっち
ぼく未来あした
つめるべきなのだろう

かわった瓦礫がれきまち
てんせんつなわせ
意味いみなどことばかり
あふれてゆく

ほのおのごとき孤独こどく
からだ しずめては
暗渠あんくへとしたたってくしずく

かかげる毒杯どくはい このせいちても
がれるゆめなが
とりでつめ 孤高ここうわし
羽搏はばたきだけ がる

あの蒼穹そうきゅう磔刑たっけいにしてくれたまえ
てんむす場所ばしょぼく

花実かじつのような記憶きおくたちは
かれただがらだけ
あのたましい
何処どこったのだろう

つめたいはだ せてれて
むねきずきずわせ
ふたた辿たどるべき地図ちず
ここにきざ

世界せかいえぬつばさ
その黒影かげかくされた
純白じゅんぱく一羽ひとはね 射止いとめよ

きるは祝杯しゅくはい 口移くちうつしの快楽けいらく
かわわらいもいきえに
まぐわいあうなぐさみのてのひら
むなしさだけがふくらんで

ああ玉砕ぎょくさいうつくしくりゆくならば
恍惚こうこつさきにはまだきみ

なげキノかべくずサレテ
おろカノたみみなごろサレル

きるは毒杯どくはい あいするかなしみを
すべだれさずけよう
月下げっかねむるとしずかのわし
ごえだけ りて

かかげる祝杯しゅくはい わがせいちても
果敢かかんない遊戯ゆうぎてもなく
とりでつめ 孤高ここうわし
羽搏はばたきだけががる

あの蒼穹そうきゅう磔刑たっけいにしてくれたまえ
つみばつ時代ときぼく