校庭こうていに下校げこうのチャイムが響ひびく 色いろのない空そら
野球部やきゅうぶが見みえにくいボールを 追おっている

隅すみの自転車置じてんしゃおき場ばで
壁際かべぎわに並ならび 話はなせないまま
ずっと借かり放っぱなしのCDシーディーを
返かえすため ここに来きたフリしてた

だけど・・・

「あなたが好すきでした」
最後さいごに言いいたくて
この胸むねの木々きぎが風かぜに揺ゆれている
「あなたが好すきでした」
声こえには出だせなくて
切せつなさを 気きづかれないように微笑ほほえみました

あの街まちはそんなに遠とおくはないと 教おしえてくれた
距離きょりじゃなくあなたがいなくなる 明日あしたから

水みずを入いれ替かえたプールが
きらきらと光ひかる 未来みらいのように・・・
何なんにも始はじまらなかった
時間ときだけが 錆さびついたあの金網かなあみ

だけど・・・

「今いまなら言いえるのに・・・」
心こころが叫さけんでる
思おもい出では いつも 忘わすれものばかり
「今いまなら言いえるのに・・・」
涙なみだが溢あふれそう
夕焼ゆうやけが眩まぶしい目めをしてうつむきました

「あなたが好すきでした」
最後さいごに言いいたくて
この胸むねの木々きぎが風かぜに揺ゆれている
「あなたが好すきでした」
声こえには出だせなくて
切せつなさを気きづかれないように微笑ほほえみました