夕暮ゆうぐれ 影かげがのびて
「じゃあね、またね。」目めを細ほそめた
夏草なつくさの匂においと教室きょうしつの落書らくがきき
通かよい慣なれたこの道みちで交かわした約束やくそく

遠とおく離はなれた今いまも思おもい出だす
いつか迎むかえにゆくよと
発車はっしゃのベルにせかされるように
笑顔残えがおのこし消きえ去さった 風かぜとともに

三年さんねん 十年じゅうねん 経たった今いまも
「じゃあね、またね。」止とまったまま
宛先あてさきを失なくして彷徨さまよった想おもいに
見上みあげた夜空よぞらの向むこう もう一度逢いちどあいたい

遠とおく離はなれた今いまだから解わかる
あの日ひ 握にぎりしめた手ては
未来みらいへ続つづく希望きぼうや不安ふあんを
どこにいても分わけ合あえるように

忘わすられぬ人ひとよ ずっと...ずっと

遠とおく離はなれた今いまも思おもい出だす
雨あめに濡ぬれた帰かえり道みち
ふたり見みつけた七色なないろのアーチ
あなた空そらをかけていったの

大切たいせつなもの失なくさないように
あの日ひ 握にぎり返かえした手ては
あなたがくれた糸いとの半分はんぶん
どこにいても忘わすれない あなたをずっと