黒くろに染そむ
翼つばさに包つつまれて
死しするために
わたしは生うまれてきた

ただ一目ひとめ
お逢あいしてわかった
胸むねを貫つらぬいた
懐なつかしさのなかで

跪ひざまずきましよう
どんな罪つみよりも
こうして貴方あなたを愛あいした真まことが
何なによりわたしを
楔くさびに打うつ激はげしく深ふかく

生娘きむすめのように
花はなを産うんで
ときに娼婦しょうふの如ごとく
天てんを揺ゆらす

横よこたえるこの身みは
善ぜんも悪あくも
超こえて密ひそやかなる
生いけ贅にえとなり

捧ささげ続つづけましょう
どんな言葉ことばより
こんなに貴方あなたが恋こいしいと叫さけぶ
声こえにならぬ声こえ
魂たましいが抱いだく言霊ことだまを

この首くびを掴つかまれ
息いきを止とめていたい
美うつくしい闇やみの淵ふちで
そのお顔かお 見みていたい

倒たおれ臥ふすでしょう
絵空事えそらごとよりも
こうして貴方あなたを愛あいした真まことが
見みせる幻影げんえいの
恐おそろしくも麗うるわしい様さま

この首くびを掴つかんで
抱だき寄よせてください
二度にどと開あかぬ瞼まぶたに
そのお姿すがたを永久とわに