ゆめをみた、こわい夢ゆめを。
《遠とおざかる背中せなか》に
凍こごえた…

在あるはずのその温度おんどを
もう一度いちどって
探さがしてた

むき出だしの独ひとりの夜よる
逃にげる場所ばしょも 何なにもなくて

嗚呼ああ、何時いつか戸惑とまどいながら
自分じぶんを攻せめてた

だから傍そばに居いて
ずっとだと言いって
悪魔あくまの声こえを掻かき消けすまで
失うしなわぬように、
そっと確たしかめる。

大切たいせつな記憶きおくは
過あやまちになっても
ねぇ、なぜか美うつくしいだけ

青あおい蝶ちょう―
お気きに入いりの髪留かみどめを、
うなじに飾かざって

風かぜに舞まう 君きみはそれを
「標本ひょうほんみたい。」って笑わらった

呑のまれてく光ひかりの渦うず
だけど とても易やさし過すぎて

弾ひきき金がねを引ひける準備じゅんびを
私わたしは、していた…

だから傍そばに居いて
ちゃんと触ふれていて
私わたしが指ゆびに溶とけ出だすほど
息いきの音ねを止とめる、そんな快楽かいらくで

かわいた約束やくそくは
ケロイドを残のこして
こんなにも愛いとおしいだけ

だから傍そばに居いて
ずっとだと言いって
悪魔あくまの声こえを掻かき消けすまで
失うしなわぬように、
そっと確たしかめる。

いつかその全すべてが
過あやまちになっても構かまわない
愛あいに冒おかして…