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くろずんださくらはなびらに めた一枚いちまい写真しゃしん
都会とかいうみまれてとされた にごみとくろうそ
用済ようずみのたちと 温室おんしつつめたいいき
そうしておとずれた必然ひつぜんぼくこころのこった

路上ろじょうらばった だれにでもこりえるわな
無機質むきしつなガラス破片はへん 表情変ひょうじょうかえず

今日きょう隣町となりまちのどこかで ぐちあらたにまれ
つばさのない小鳥ことりれつ絶望ぜつぼう屋上おくじょうへとつづ

新緑しんりょくのつぼみははるたわむれてたからかにわら
向日葵ひまわりれるおかには 何食なにくわぬかお加害者かがいしゃ

自責じせき海底うみぞこ もがくあなたにつみはないのに
時経ときた幾度いくど四季しきえてもまない

今日きょう隣町となりまちのどこかで ぐちあらたにまれ
またひとえるせみこえ なげきの蝉時雨せみしぐれ

人知ひとしれず覚悟かくごして 桜見さくらみずあのえた
ぼそ悲鳴ひめい黙殺もくさつされてえた

真冬まふゆ蝉時雨せみしぐれ 屋上おくじょう足跡濡あしあとぬらす
悲劇ひげきしてなくならない
それはえられない摂理せつり

今日きょう隣町となりまちのどこかで ぐちあらたにまれ
またひとうしなったいのちなげきの蝉時雨せみしぐれ