美うつくしく伝つたうこともなく
拭ぬぐい去さることも出来できないで
その胸むねは何なにを抱かかえてる
ただじっと愛あいに怯おびえてる

差さし伸のべた手てをかわして
眩まぶしいふりで空そらを見上みあげた君きみ

滴しずく、滴しずく、こぼれても
黙だまってここにいるよ
いつかいつか気きづいて
君きみはずっと愛あいの中なか

羽根はねのような優やさしい言葉ことばを
かけるのはきっと容易たやすくて
でもなぜか言いいたくなかった
ただそっと君きみを待まちたくて

ひとすじの風かぜが吹ふいた
夏なつの薫かおりがよけい切せつないだけ

滴しずく、滴しずく、こぼれても
時ときが頬ほほを撫なでるよ
哀かなしみも抱だきしめて
君きみは君きみで行いけばいい

雲くもが流ながれてゆく
心こころあずけてみて

まわるまわるこの世界せかい
思おもうほど悪わるくない
傷きずついても信しんじて
誰だれも愛あいを捨すてられない

滴しずく、滴しずく、こぼれたら
ほんの少すこし忘わすれよう
そしてぎゅっと感かんじて
君きみはずっと愛あいの中なか
君きみはずっと愛あいの中なか