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よみがな
まちからまちへさまよう
かぜながされるようにして
ひとはどこへいく?
ぼくもそのひとつになる

ひとときにはつめたく ときにはなにかんじなくなる
それでもだれかの身代みがわりに犠牲ぎせいになる

そうしてうしなわれたいのちがどこにいくのか
そのひとたびはもうわりになるのか

みちからみちへさまよう
ときにはあめたれながら
えていったひと
足跡あしあとさがしてきた

わずかなこころさえもえてしまうというなら
そのひと場所ばしょ
ぼくらとおんな
かすかなこの気持きもちもつたわらないというなら
このぼく場所ばしょ
ないのとおんな

ありがとうという気持きもちも
さよならをするいたみも
おぼえてあるいてきた そら見上みあげると
くもたか渦巻うずま
あらしようとしていた

幾多いくた足跡あしあとたち
ぼくいかけ
ばらばらにくだけてもそのこうがわ
わりがおとずいま
ぼく生命いのちはじまる
あたたかなみずなかをまるめていた