ごめんね あと少すこし アナタの名前なまえと眠ねむらせて

寄より添そった過すぎし日ひは痛いたみを喜よろこび合あい
両手りょうてに映うつし出だす アナタを想おもい泣ないている

其処そこに降ふる悲かなしみは知しらないままでいいよ
安息あんそくに震ふるえを覚おぼえた足たりぬ目めは何なにを見みる

薄うすれないで アナタよ
僅わずかな吐息といきを聞きかせて欲ほしい
小ちいさな鼓動こどうで泣なく
アナタよ 此処ここまでおいで

代かわれない夢ゆめに続つづきがあるなら
どうか途切とぎれずに…
幸福こうふくと呼よべなくても溺おぼれて重かさならぬ日々ひびを

薄うすれないで アナタよ
僅わずかな吐息といきを聞きかせて欲ほしい
小ちいさな鼓動こどうで泣なく
アナタよ 此処ここまでおいで

「救すくいの手てさえも曖昧あいまいで
秒刻びょうきざみの繭まゆは糸いとを千切ちぎれずに灰はいに成なる」

薄うすれないで アナタよ
僅わずかな吐息といきで聞きいてて欲ほしい
小ちいさな鼓動こどうの音ねに掠かすれぬ祈いのりよ届とどけ

呼よべぬ名前なまえを抱だいて
指折ゆびおり数かぞえる明日あすは消きえない
耳みみを塞ふさぎ聞きいてた 揺籠揺ゆりかごゆれる音おと
取とり戻もどせぬ春はるに紅蓮ぐれんの花はなが咲さく