浴衣ゆかたの柄がらの 赤あかとんぼ
どこへ どこへ 飛とんでった…

萬年橋まんねんばしから 清洲橋きよすばし
夏なつの夕陽ゆうひが 染そめて行いく
母ははの背中せなかを 追おいかけた
理由わけも知しらない 幼おさない日ひ

母かあさんあなたは お元気げんきですか
愛あいを貫つらぬき 生いきていますか そのひとと
決けっして詫わびたり しないでほしい
今いまのわたしは あなたの想おもい わかります

萬年橋まんねんばしから 清洲橋きよすばし
路地ろじの奥おくまで 川風かわかぜが
風鈴鳴ふうりんならして 吹ふきぬける
今いまも 昔むかしと 同おなじです

母かあさんあなたは しあわせですか
風かぜの噂うわさも 聞きこえて来こない 今いまはもう
女おんなとしての そんな生いき方かた
今いまのわたしの 胸むねにせつなく 沁しみてくる

浴衣ゆかたの柄がらの 赤あかとんぼ
どこへ どこへ 飛とんでった…