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あれから ときはすぎて
おも出滲でにじんだ このまちには
はる陽射ひざしが そっと ゆれて
記憶きおく辿たどりながら
街路樹がいろじゅ つづみちければ
いるはずのない
あなたにえるがした

はるにはいたくて
いたくて
あなたをおも
ゆるくびる坂道さかみち
しろめるさくらはな

じればふいに ああ
いとしい笑顔えがおがよみがえる
かぜきぬける

秘密ひみつ近道ちかみちだと
はしゃいでけたあきには
ひとりのかげ
ながくながくびてゆく

わらない景色けしき
何度なんどでも
あなたをうつ
まどめるあかねぐも
背伸せのびをして見上みあげたそら

じればふいに ああ
あなたのこえ こえたがした
ぼくくす

みみおくむねなかに あのくれた言葉ことば
このおもいをなんべばいい?

はるにはいたくて
いたくて
あなたをおも
つないだゆび温度おんど
れたとおもった永遠えいえん

じればふいに ああ
いとしい記憶きおくがよみがえる
背中押せなかおすように

あいした笑顔えがおはここにある
ぼく顔上かおあげる