背中せなかにあった翼つばさは君きみと共ともに無なくした
飛とべた頃ころの記憶きおくは擦すり傷きずの様ようには消きえてくれない

月つきが丘おかを行ゆく 夜光虫やこうちゅうを引ひき連つれて
手付てつかずの一日いちにちが何なにも言いわずに終おわっていく

僕ぼくが居いなくても地球ちきゅうは回まわり続つづける
君きみが居いないなら僕ぼくの朝あさはもうやってこない

草くさむらで転ころげまわって森もりの奥おくで眠ねむった
何度なんどか争あらそいもしたけどそれは全すべて永遠えいえんのため
未来みらいの向むこうへ行ゆくため

背中せなかにあった翼つばさは君きみと共ともに無なくした
飛とべた頃ころの記憶きおくは擦すり傷きずの様ようには消きえてくれない

君きみを取とり戻もどす そればかり考かんがえていた
時ときの濁流だくりゅうに押おし流ながされてしまわぬよう

思おもい出では何なにも語かたらない 縋すがり付つくあても無ない
残のこった涙なみだはあと少すこし きっと君きみには届とどかない
最後さいごの雫しずくが、落おちていく

突然夜とつぜんよるが弾はじけた 光ひかりが空そらに飛とび散ちった
堪たまらず閉とじた瞼まぶたを開あけるとそこに君きみがいた

背中せなかにあった翼つばさは今いまやもう必要無ひつようない
洗あらい立たての太陽たいようが僕ぼくらを優やさしく照てらしている

これからは大地だいちを踏ふみしめて
君きみを抱だいて歩あるいていこう