光ひかりに 一体何いったいなにが望のぞめる
そして 闇やみにも
愚おろかで 無垢むくなものを指先ゆびさきに
宿やどして 自分じぶんを導みちびけば
辿たどり着つくいつもそこは
すべてを貫つらぬく鉄塔てつとうの上うえ
手てに入いれたものは いつかの夢達ゆめたち
見降みおろす街まちは 凍こごえる想おもいを
きつく寄よせ合あうけれど

*帰かえり路みちをなくして
今日きょうはどこに帰かえるのだろう
この月つきが 何なにを翳かざすのかを
知しる事ことさえ怖こわくて
血ちの涙なみだは溢あふれる
緋ひの翼つばさで舞まい上あがるのだろう
燃もえる世よの底そこを這はって
ただ 鳴なき叫さけぶ
鳴なき叫さけぶ

力ちからは その刃はを振ふり上あげる
ゆらりと 儚はかなく互たがいへと
手探てさぐりで感かんじた熱ねつは
優やさしい誰だれかのつむじ風かぜ
置おき去さった気持きもちは いつかの迷まよい歌うた
ビルや日々ひびの群むれ 沈しずまぬようにと
暮くれる胸むねを焦こがしてゆく

帰かえり路みちをなくして
明日あしたはどこに向むかうのだろう
いつの時ときか 握にぎりしめてきた
手てのひらも解ほどかずに
血ちの涙なみだは零こぼれる
緋ひの狭間はざまで立たち上あがるのだろう
過すぎ去さる背せはもう見みえない
ただ その先さきへ
その先さきへ

帰かえり路みちをなくして
そして今いまはここに
碧あおの淵ふち 黄金こがねの果はて 夜よるの隣となりで震ふるえる

帰かえり路みちをなくして
今日きょうはどこに帰かえるのだろう
この月つきが 何なにを翳かざすのかを
知しる事ことさえ怖こわくて
血ちの涙なみだは溢あふれる
緋ひの翼つばさで舞まい上あがるのだろう
燃もえる世よの底そこを這はって
ただ 鳴なき叫さけぶ
鳴なき叫さけぶ