机つくえの奥おくから出でてきたえんぴつ型がたの懐なつかしい消けしゴム
君きみの名前なまえが書かかれている

隣となりの席せきにいつも座すわってたのに
なかなかしゃべるきっかけもないまま
「消けしゴムかして」たったそれだけなのに
僕ぼくは一生分いっしょうぶんの勇気ゆうきを使つかった気きがした

あのままどこか遠とおくへ行いってしまって
盗ぬすむつもりなんてこれっぽっちもなかったのに
卒業そつぎょうアルバムにも載のってない君きみは
遠とおい記憶きおくの中なかで少すこし可愛かわいくなってる

今いままで思おもい出だすのも忘わすれてたくらいの
小ちいさな想おもい出でが大おおきな好奇心こうきしんに変かわる

とにかくもう一度会いちどあって話はなしをしてみたいと
同窓会どうそうかいの案内状あんないじょうを作つくるにしても
君きみの住所じゅうしょさえ僕ぼくはわからないけど
いつかのウワサを頼たよりにしてどうにかして

バカだなぁ、僕ぼくは昔むかしを懐なつかしんで
こんな夜中よなかにいろいろ引ひっ張ぱり出だしちゃって
卒業そつぎょうアルバムにも載のってない君きみは
遠とおい記憶きおくの中なかで少すこし可愛かわいくなってる