昨日きのう 君きみが自分じぶんから下おろしたスカートのファスナー
およそ期待きたいした通とおりのあれが僕ぼくを締しめつけた

大切たいせつにしなきゃならないものが
この世よにはいっぱいあるという
でもそれが君きみじゃないこと
今日きょう 僕ぼくは気付きづいてしまった

きっと ウルトラマンのそれのように
君きみの背中せなかにもファスナーが付ついていて
僕ぼくの手ての届とどかない闇やみの中なかで
違ちがう顔かおを誰だれかに見みせているんだろう
そんなの知しっている

帰かえり際ぎわ リビングで僕ぼくが上あげてやるファスナー
御座おざなりの優やさしさは 今一いまひとつ精彩せいさいを欠かくんだ

欲望よくぼうが苦くるし紛まぎれに
次つぎの標的ターゲットを探さがしている
でもそれが君きみじゃないこと
想像そうぞうしてみて少すこし萎なえてしまう

もしも ウルトラマンのそれのように
総すべての事ことにはファスナーが付ついていて
僕ぼくが背中見せなかみせているその隙すきに
牙きばを剥むくつもりでも 信しんじてみる値打ねうちは
あると思おもえるんだ

きっと 仮面かめんライダーのそれのように
僕ぼくの背中せなかにもファスナーが付ついていて
何処どこか心こころの奥おくの暗くらい場所ばしょで
目めを腫はらして大声おおごえで泣なきじゃくってるのかも

きっと ウルトラマンのそれのように
君きみの背中せなかにはファスナーが付ついていて
僕ぼくにそれを剥はがし取とる術すべはなくても
記憶きおくの中焼なかやき付つけて
そっと胸むねのファスナーに閉とじ込こめるんだ

惜おしみない敬意けいいと愛あいを込こめてファスナーを・・・