紫色むらさきいろの渡わたり廊下ろうかで
顔かおのない男おとこと出会であう
僕ぼくの方ほうを見みて笑わらってるから
別べつに怖こわくはないが歩あるけない

壁かべの絵画かいがに2、3日前にちまえの僕ぼくの記憶きおくが描えがかれてて
横よこにいるのが 多分たぶん 君きみだな

二階にかいの老婆ろうばは患わずらってて
汚よごれた手て 僕ぼくに差さし出だす
君きみはバッグを開あけてピンクの
ガラス玉だまを渡わたして微笑ほほえむ

それはなんだろう? きっとなんかを
表あらわしてる 隠喩メタファーなんだろう?
僕ぼくにもおくれよ 君きみのピンクで染そめて

奇妙きみょうな夢ゆめの中なかから
僕ぼくらを覗のぞいてみると
本当ほんとうの二人ふたりより少すこしマシに見みせてくれるよ
今いま 咽のどの奥おくの方ほうから
思おもいをえぐり出だしてみるから
僕ぼくが手てを引ひく夜よるにおいでよ

隣となりで眠ねむる裸体らたいの女おんなが
不機嫌ふきげんそうに寝返ねがえりを打うつ
それが何故なぜかは分わからないけど
多分たぶん 僕ぼくに不満ふまんを抱いだいてる

今日きょうは満月まんげつ 外そとの方ほうから
叫さけび声ごえが聞きこえてくる
泣ないてるのかなぁ?
よがり声ごえだな きっと

恥はじらいがあった昨日きのうより
さらけ出だした今日きょうの方ほうがより
多少黄たしょうきばんで見みえたりしてるけど 愛いとしさは増ふえるよ
何なにしたって構かまわないから
君きみの好すきなようにしとくれよ
明日あしたも僕ぼくの夢ゆめを壊こわしてよ

思おもいを飲のみ込こんだ昨日きのうより
ぶちまけた今日きょうの方ほうがより
多少たしょうは黒くろずんだりしてるけど 愛いとしさは増ふえるよ
今いま 咽のどの奥おくの方ほうから
思おもいをえぐり出だしてみるから
僕ぼくが手てを引ひく夜よるにおいでよ
おいでよ