紡つむぐ 宵闇よいやみの橋はし
見返みかえる 混沌こんとんの泉いずみ
現世げんせの誘いざないを断たてば
袖振そでふり 我わが身み 宙そらに召めされる

募つのり 挑いどみ 果はて弱よわり
それも全すべて 懐なつかしい
愛めでて見守みまもり育はぐくむ
ただ在あることの廉潔れんけつ

永劫えいごう 溜たまりゆく
罪つみも罰ばつも同おなじ力ちからが宿やどり
時代じだいはうつろいで
やがて灯ともる十五夜じゅうごやの月つき

夜露よつゆ 吐息といきに揺ゆられ
望のぞみを託たくしこぼれる
寒さむさをしのげばいつか
静しずかに都みやこ 色いろづいてゆく

創つくり 壊こわし また創つくり
我われにかえるは 夢ゆめのあと
無為むいの言霊ことだまを借かりて
意いをもつことの必然ひつぜん

数多あまたの命いのちが悟さとり
天てんを仰あおいで笑わらいあう
千慮せんりょの一失いっしつも
やがて宙そらで消きえない華火はなび

永劫えいごう 溜たまりゆく
恐おそれ怒いかり欲よくや無償むしょうの愛あい
時代じだいはうつろいで
やがて灯ともる十五夜じゅうごやの月つき