暗くらい部屋へやテレビをぼんやり観みていた
なんの番組ばんぐみだろう カメレオンが映うつってる。

いろんな風ふうにそいつは姿すがたを変かえていき
次つぎの瞬間しゅんかんには見事みごとに消きえた

子供こどもの頃ころから知しってた事ことなのにな 大人おとなになって今更問いまさらといかける

ねえ カメレオン 教おしえてくれよ 誰だれかが作つくった僕ぼくのモンスターに
追おわれてるんだ すぐそこにいるんだ 七色なないろの服ふくをぼくにもわけてください

おれは今日きょうカメレオン 誰だれかと同おなじでいい ずいぶん前まえから望のぞんでたんだろう

そこらじゅうにありふれてる人ひとになって あぁ 化ばけ物ものはもう見事みごとにいなくなった

なぁ カメレオン もう怖こわくない お前まえですら俺おれに気きづかなくなった
そういえばずいぶん本当ほんとうの僕ぼくに戻もどってなかった事ことに気きがついた
あれ カメレオン どうするんだっけ もとの姿すがたをもう忘わすれてしまった
戻もどりたいんだ 戻もどれなくなった 七色なないろの服ふくなんかもういらないから

朝目あさめが覚さめて すべて夢ゆめだった 急いそいでカーテンを開あけ 僕ぼくは外そとに出でる。