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ねえ 三年さんねん月日つきひがすぎて
ふたりはすこしずつ大人おとなになった
いくつもなみだをぬぐいあったあと
見上みあげたくもをわすれない

みとうことが さよならにもなる
あなたと出逢であえて本当ほんとうによかった

明日あすからふたりはひとつずつ
えらんだちがはな そだててくの
最後さいごにおねがい 一度いちどだけ
あのおなじようにきゅっといてよ

「ほんの五分ごふんでいいのよ」

ねえ いつだってあたまをなでて
すあたしのよこてくれた
不安ふあんあせりもけしてくれたのは
あなたのやさしい温度おんどだけだった

ぐにいて はなしてくれたから
あなたの未来みらいあいせるのよ

明日あすからふたりはひとりずつ
おも写真しゃしんむねにしまう
いつかまたちがうそのには
もう一度撮いちどとらせて きっとわらえる

見送みおく背中せなかが ちいさくなっても
すぐそばにこえひびいたまま

明日あすからふたりはひとつずつ
えらんだはな そだててくの
最後さいごじ この日々ひび
きゅっとったならば

明日あすからふたりはひとりずつ
おも写真しゃしんむねにしまう
いつかまたうそのには
もう一度いちどゆるして そっとかせて

「ほんの五分ごふんでいいのよ」