冷ひえたベンチの 隅すみと隅すみで
スネた君きみは 背中向せなかむけて
吐息といき 両手りょうてに集あつめながら
白しろいマフラーに隠かくれて
"ごめんね"の目めで僕ぼくを
見みては また隠かくれて

風かぜが 枯かれ葉は 君きみの肩かたに
時ときがイタズラにゆるんで
はらう 指ゆびぶつかれば また
笑顔えがお マフラーに隠かくれて
強つよがりは もういいよ
僕ぼくのそばにおいで

かじかんだ君きみの手ての平ひら
今日きょうも やわらかくて
僕ぼくの手ての中なかで ギュッと
愛あいを確たしかめてた

「時ときが止とまればいいのに・・」と
君きみが 別わかれ際ぎわ 泣ないたから
僕ぼくは時計とけいの竜頭引りゅうずひいて
時ときを止とめて君きみを抱だいた
いつのときも いつまでも
君きみのそばにいるよ
マフラーほどいて ほら
僕ぼくのそばにおいで