ブレーメン 前まえの方ほうを見みよ
落雷らくらいの後あとに人ひとの群むれ
ブレーメン 壊こわれた小屋こやの中なか
少年しょうねんは息いきを引ひきとった

クローゼットは丸焦まるこげで
少年しょうねんの遺のこしたものはみな
要いらぬ要いらぬと捨すてられて
鳴なり止やんだ昔むかしのオルゴール

楽隊がくたいのメロディー 照てらす街まちの灯ひ
夕暮ゆうぐれの影かげをかき消けして
渡わたり鳥どり 少年しょうねんの故郷目指ふるさとめざして飛とんでゆけ

ブレーメン 外そとは青あおい空そら
落雷らくらいの跡あとにばらが咲さき
散ちり散ぢりになった人ひとは皆みな
ぜんまいを巻まいて歌うたい出だす

そのメロディーは街まちの灯あかりを
大粒おおつぶの雨あめに変かえてゆく
少年しょうねんの故郷ふるさとの歌うた ブレーメン君きみが遺のこした歌うた

楽隊がくたいのメロディー 照てらす街まちの灯ひ
夕暮ゆうぐれの影かげをかき消けして
渡わたり鳥どり 少年しょうねんの故郷目指ふるさとめざして飛とんでゆけ