月灯つきあかりかと思おもってみれば 変かわる間際まぎわの黄色きいろい信号しんごう
やたらと長ながい 赤信号あかしんごうに変かわれば 決きまって僕ぼくらキスをするんだ

君きみはいつも左側ひだりがわを歩あるき 僕ぼくのポケットに小ちいさな手てを入いれる
こうして触ふれる指先ゆびさきの温ぬくもりだけ それだけで僕ぼくらはつながってるわけじゃない

僕ぼくらをつないでいるもの
君きみが笑わらうから 僕ぼくも笑わらった
「ねぇ 今年ことしもあの花はなが咲さいたね」と君きみが言いう
今いま 君きみの家いえに向むかう途中とちゅう

ガソリンスタンドの交差点こうさてんは 行いき交かう車くるまの音おとであふれて
僕ぼくらの会話かいわかき消けされてしまわぬ様よう 自然しぜんと 僕ぼくら もっともっと近ちかづいた

僕ぼくらをつないでいるもの
僕ぼくのハナウタが君きみにうつった
「ねぇ 歩道橋ほどうきょうの上うえに月つきが見みえるよ」と僕ぼくが言いう
幼おさない僕ぼくらのこの恋こいを照てらしてよ

でも たぶん この街灯がいとうのように ただ
弱々よわよわしく 頼たよりない光ひかりの下したに 僕ぼくらいて

僕ぼくらをつないでいるもの
二人ふたり 同おなじ明日あす 描えがいているのかな
「ねぇ この先さきもずっと あの花はなを見みれるよね?」君きみが言いう
今いまはうなずくしかできなくて

僕ぼくらをつないでいるもの 不安ふあんを塞ふさぐように キスをするんだ
ねぇ 揺ゆれる雲くもに月つきが隠かくれてしまう前まえに 帰かえろう
今いま 君きみの家いえに向むかう途中とちゅう