柔やわらかなその頬ほほへとふれて
優やさしい時間じかんに浸ひたされていたい
もう一度いちどあの海辺うみべに戻もどり
ただ何事なにごとも無なかったかのように

君きみの声こえに気きづきもせず季節きせつは過すぎ去さり
硬かたく重おもい幕まくは降おりたよ さよならも無なくて

予期よきせぬほどに影かげを落おとした
色いろづく前まえに摘つみ取とられた果実かじつ
不意ふいに心こころを染そめ上あげて行ゆく
まるで時間じかんが戻もどったかのように

君きみは嬉うれしそうに はしゃぎ海辺うみべに溶とけ合あい
眩まぶしすぎた陽射ひざしの中なかを泳およいで行いった
幾いくら歳月さいげつが過すぎても記憶きおくは刻きざまれ
決けっして消きえずに 僕ぼくを悩なやます

許ゆるされるのなら 微笑ほほえみかけてよ 許ゆるされるのなら
あの夏なつまで歩あるいて波打なみうつ砂浜すなはまへと 帰かえろう

君きみは嬉うれしそうに はしゃぎ海辺うみべに溶とけ合あい
眩まぶしすぎた陽射ひざしの中なかを泳およいで行いった
この道みちを通とおるたびに君きみが突つき刺ささるよ
まるで胸むねから流ながれるように あふれだす