- 文字サイズ
- よみがな
もしもわたしが
仄蒼ほのあおき薔薇そうびなら
肉体からだは綻ほころぶ花はなでしょう
添そい寝ねする駒鳥こまどりたち
刺とげで抱だきしめ
甘あまき蜜みつを引ひきかえに
生いき血ちを注そそがせ赤あかく赤あかく
月つきを浴あびて燦燦さんさんと
盛さかりの刻ときを立たち止どまらせて
祈いのりのように 呪のろいのように
開ひらいた花唇かしんの奥底おくそこで唄うたう
そうまでもして
咲さき誇ほこるのかと
問とうなかれ
もしもわたしが
野のに咲さいた薔薇そうびなら
心こころは蠢うごめくその根ねでしょう
土深つちふかくに亡骸なきがらを
幾いくつ数かぞえて
闇やみに染そみし濁にごる夜露よつゆ
貧むさぼり尽つくし吸すい尽つくして
朱あかい茎くきを昇のぼりつめ
光ひかりの在処ありか 探さぐりつづける
天女てんにょのように 獣けもののように
堕おちていく場処ばしょは墓穴はかあなと知しれど
それほどまでに
愛あいしたいのかと
問とうなかれ
枝えだを巡めぐり 葉はを滲にじませ
自みずからの身みを架刑かけいとせん
月つきに潜ひそみ煌煌こうこうと
わたしは薔薇ばらでわたしは女おんな
呪のろいのように 祈いのりのように
秘ひする想おもいは薫かおりつつ爛ただれ
そうしてなおも
生いきてゆくのかと
問といながら
仄蒼ほのあおき薔薇そうびなら
肉体からだは綻ほころぶ花はなでしょう
添そい寝ねする駒鳥こまどりたち
刺とげで抱だきしめ
甘あまき蜜みつを引ひきかえに
生いき血ちを注そそがせ赤あかく赤あかく
月つきを浴あびて燦燦さんさんと
盛さかりの刻ときを立たち止どまらせて
祈いのりのように 呪のろいのように
開ひらいた花唇かしんの奥底おくそこで唄うたう
そうまでもして
咲さき誇ほこるのかと
問とうなかれ
もしもわたしが
野のに咲さいた薔薇そうびなら
心こころは蠢うごめくその根ねでしょう
土深つちふかくに亡骸なきがらを
幾いくつ数かぞえて
闇やみに染そみし濁にごる夜露よつゆ
貧むさぼり尽つくし吸すい尽つくして
朱あかい茎くきを昇のぼりつめ
光ひかりの在処ありか 探さぐりつづける
天女てんにょのように 獣けもののように
堕おちていく場処ばしょは墓穴はかあなと知しれど
それほどまでに
愛あいしたいのかと
問とうなかれ
枝えだを巡めぐり 葉はを滲にじませ
自みずからの身みを架刑かけいとせん
月つきに潜ひそみ煌煌こうこうと
わたしは薔薇ばらでわたしは女おんな
呪のろいのように 祈いのりのように
秘ひする想おもいは薫かおりつつ爛ただれ
そうしてなおも
生いきてゆくのかと
問といながら