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わが余命幾よめいいくばくか
死神しにがみのみぞりたもう
のこった日々ひびすべてを
たとえきかえにしても

きみがそばに
いたあのとき
もどれるなら
なんでもしよう

うまれてはじめてぬほど
いたいとねがひとがいる

これまで本気ほんきかなしいと
かんじたことなどなかったのに

なのにどうして目蓋まぶたからは
なみだつたってしまうの
きみもとへたどりくかのように一筋ひとすじ

このきるだけで
背負せおったつみはないだろうか
粗末そまつ人間にんげんには
けしてなりたくないとか

もうけがれた
感情かんじょうなのか
すべてきみ
ためだとしても

うまれてはじめてぬほど
こいしいとおもひとがいる

これまでひとりがえられず
ふるえたことなどなかったのに

なぜほっしてはいけないのか
ぼくだけのためにながされる
あたたかくうつくしい一滴ひとしずく
あか

ハバタク羽根はね
あたエタモウ
マダソノむね
ひかりハトドクワ

うまれてはじめてんでも
いたいとねがひとがいる

これまで本気ほんきかなしいと
かんじたことなどなかったのに

なのにどうして目蓋まぶたからは
なみだつたってしまうの
きみもとへたどりくかのように一筋ひとすじ