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れた、窓枠まどわくがきりとるけた視界しかい
四角しかく景色けしきれてきた過去かこ自分じぶん

ただ色褪いろあせゆく追憶ついおくに、今足いまたりないものをひろった。

いたいくらいに太陽たいようとげ
見上みあげてはかした。
鈍色にびいろかがやいたせつ季節きせつに、うるいろねつえた。

あのとき、無駄むだ背伸せのびをする自分じぶんがいた。

「あといくとせのなつせば大人おとなになれる?」とゆびった。

真上まうえから見下みおろせばすべてがえる、うそみにくさもすべて。」
太陽たいようがそうかたるようにおもえた。
おさなさが可笑おかしく、わらった。

真昼まひるつき耳元みみもとでそっとささやいた。
この瞬間しゅんかんいま二度にどおとずれてくれないと。

大切たいせつなこと、大事だいじなもの、ひろあつめて、いまきる。

五月蝿うるさすぎるせみさえもとおくにかすむ。
あのにはもどれない。
わかりったそんなことすらもいきかえよる

いたいくらいに太陽たいようとげ
見上みあげてはかした。
鈍色にびいろかがやいたせつ季節きせつに、うるいろねつえた。