さらば春はるの日ひよ
また会あおう 何時いつの日ひか
さらば過すぎし日ひの
青白あおじろい三日月みかづきよ

あの日ひも あの時ときも
月影つきかげに縫ぬい付つけて置おいてきた
淋さびしさよ
追憶ついおくを噛かみ締しめる

夜よるが連つれてくる寂寞せきばくを弄もてあそび
今いまは噎むせ返かえる夏なつの夜よを感かんじている
カーテンが揺ゆれる度たび
過去達かこたちも揺ゆれている
あの日ひの あの時ときの
君きみの目めが揺ゆれている

さらば春はるの日ひよ
また会あおう 何時いつの日ひか
さらば過すぎし日ひの
青白あおじろい三日月みかづきよ

「帰かえらざる思おもい出でよ
待まってくれ。
待まってくれ。」
振ふり返かえり呼よぶけれど
何なにもない
何なにもない・・・