自転車じてんしゃでゆきましょう 心地ここちよい風かぜが頬ほほに
人ひとごみの電車でんしゃよりも 汗あせをかいてまでも楽たのしめよ

立たち乗のりをして 空そらに近ちかい空気くうきを吸すえば気きも晴はれる
この坂さかをこえればすぐ あの頃ころへ戻もどれるような

あの日ひ あの道みちは 忘わすれない
オレンジの愛あいでいっぱい
二人ふたりの秘密ひみつは絶対ぜったい
時ときを戻もどすひとつのカギ

帽子ぼうしにつめた金木犀きんもくせい
匂においと化かして私わたしを呼よび戻もどす
他愛たあいもないあの日ひの想おもい出では
甘あまい匂においの秋模様あきもよう

覚おぼえきれない想おもい出でを二等分にとうぶんしてあげましょう
あの日ひの君きみはこの私わたしに あの夜よるの星ほしは君きみにあげる

すねたりしないで ひとつひとつ思おもい出だすように話はなそうよ
ひとつの声こえも漏もらさぬよう もっと近ちかくでお話はなしてよ

何なにから話はなせばいいのだろう
膨ふくらむ気持きもちでいっぱい
二人ふたりの秘密ひみつは絶対ぜったい
からめた小指こゆびで守まもるから

また動うごき出だすあの時計とけい
花はなびらが針はりを狂くるわす 時間ときさえも
散ちらないでと願ねがったあの頃ころに
甘あまい匂においの秋模様あきもよう

そんな風かぜが吹ふいたから
ごめんね 思おもい出だすわ
私わたしがまだ持もってるのは終おわりのない優やさしさだけ

帽子ぼうしにつめた金木犀きんもくせい
匂においと化かして私わたしを呼よび戻もどす
他愛たあいもないあの日ひの想おもい出でを
紅くれないの空そらに散ちりばめた