文字サイズ
よみがな
ところは東京麻布十番とうきょうあざぶじゅうばん
折おりしも昼下ひるさがり
暗闇坂くらやみざかは蝉時雨せみしぐれ
黒くろマントにギラギラ光ひかる目めで
真昼間まっぴるまっから妖怪変化ようかいへんげ
ももんがーっ
ももんがーっ
おー
ももんがー

蝶々ちょうちょうはひらひらひーら
蝙蝠こうもりぱーたぱた
怪あやしげな雲流くもながれる
黒くろソフトに耳みみまで裂さけた口くちで
「ごぶさたでした」と草疲くたびれた声こえ
ももんがーっ
ももんがーっ
おー
ももんがー

思おもい出だしてみればお婆ばぁちゃんの
昔噺むかしばなしでお目めにかかった以来いらい
「苦労くろうばなしのひとつやふたつ聞きかせろ」と
手てを取とり行ゆくのも絵空事えそらごと
ももんがーっ
ももんがーっ
おー
ももんがー