髫髪子うないごの 手房たぶさへ
明日あしたの 火ひを灯ともす
夢現ゆめうつつの 光ひかりかの 藁わら
もがる 宇宙うちゅうの彼方かなたへ
投ないだ手てを 延のばせば
未まだ 産うまれ立たての
無窮むきゅうの 才かどは 垂しだらない故から

心こころが 滑すべり墮おちる ときは
冀望きぼうの数かずより 愛かなしさだけ 求もとめた
如何どうして 胸むねが 熱ほとる ときは
鬱ふさいだ 悄気込しょげこみも 空そらに消きえた

幼気いたいけを 攜たずさえ
嘖さいなむ 悲ひを 躱かわす
夢心地ゆめごこちの 赤あからかの 末那まな さあ
おがる 仔蟲しちゅうの貴方あなたへ
涕なみだを 取とり成なせば
未まだ 忘わすれ掛かけの
夢中むちゅうの 窗まどは 無なくなさい故から

何なにかを 成なせる 意志いしの 在あり処か
何処いずこはあれども
此処ここでは無ないと 撥はねた
然そうして 辿たどり着ついた 海うみは
澱よどんだ 斑聲むらごえも 若音わかねに変かえて

幼気いたいけを 攜たずさえ
嘖さいなむ 悲ひを 躱かわす
夢心地ゆめごこちの 赤あからかの 末那まな さあ
おがる 仔蟲しちゅうの貴方あなたへ
涕なみだを 取とり成なせば
未まだ 忘わすれ掛かけの
夢中むちゅうの 窗まどは 無なくなさい故から

幼心おさなごころ 開ひらく 有ありっ丈たけの 祈いのり
斃たおれても 手折たおれても
無なくしたくないもの
離はなれても 露つゆに 濡ぬれても
忘わすらぬ 言葉ことば

髫髪子うないごの 手房たぶさへ
明日あしたの 火ひを灯ともす
夢現ゆめうつつの 光ひかりかの 藁わら さあ
もがる 宇宙うちゅうの彼方かなたへ
投ないだ手てを 延のばせば
未まだ 産うまれ立たての
無窮むきゅうの 才かどは
垂しだらない 萎しおれない 薨みまからない故から